JASSOの貸与型奨学金 完全ガイド【2026年版】第一種・第二種の違い・返済額・シングルマザー世帯の申請手順
「給付型奨学金だけでは足りないかもしれない。貸与型も調べておくべきかな……」そう悩んでいるシングルマザーの方に、この記事は役立ちます。
日本学生支援機構(JASSO)の貸与型奨学金は、返済が必要な奨学金です。ただし、ルールを正確に理解して活用すれば、大学進学の大きな助けになります。給付型奨学金との組み合わせや、返済が苦しくなった場合の救済制度まで、2026年版の公式情報をもとに解説します。
🎓 この記事でわかること
- 第一種(無利子)と第二種(有利子)の違いと月額の選択肢
- シングルマザー世帯が有利になる家計基準の仕組み(ひとり親控除)
- 成績基準と申込の2ルート(予約採用・在学採用)
- 返済額の目安と、返済が困難になった場合の救済制度
- 給付型奨学金・国の教育ローンとの組み合わせ方
なお、本記事は「学生本人が借りるJASSOの貸与型奨学金」に絞って解説します。
1. 第一種奨学金(無利子)と第二種奨学金(有利子)の基本的な違い
JASSOの貸与型奨学金には、大きく2種類があります。どちらも大学卒業後に返済が必要ですが、利子の有無と採用基準が異なります。
第一種は借りた金額をそのまま返せばよいのに対し、第二種は卒業後から利子がかかります。できれば第一種を目指したいところですが、成績基準を満たせない場合は第二種でも進学資金を確保できます。
2. 月額の選択肢と家計基準:シングルマザー世帯のメリット
第一種奨学金の月額選択肢(2026年度・大学の場合)
第一種奨学金の月額は、在学校の区分と通学形態によって選択肢が異なります(出典:JASSO「平成30年度以降入学者の貸与月額」)。
月額は申込時に選択します。進学後も変更手続きが可能です。借りすぎると返済額が大きくなるため、本当に必要な金額だけ選ぶことが大切です。ご自身の世帯の教育費と家計全体の将来像は、無料診断で確認してみてください。
第二種奨学金の月額選択肢
第二種奨学金は、3万円〜12万円の範囲で1万円単位で選択できます(出典:JASSO「第二種奨学金(有利子で借りる)」)。第一種より選択肢が広く、必要に応じた額を借りやすい設計になっています。
家計基準:シングルマザー世帯に有利なひとり親控除
第一種奨学金の家計基準は、「生計維持者の貸与額算定基準額が189,400円以下」が要件です(在学採用・大学の場合)。この算定基準額は、住民税の課税情報をもとに計算され、ひとり親世帯には40,000円の控除(ひとり親控除)が加算されます(出典:JASSO「進学前(予約採用)の第一種奨学金の家計基準」)。
JASSO公式サイトが示す年収目安(参考値・在学採用)は次のとおりです。ただし、あくまで目安であり、予約採用では数値が異なります(2人世帯は761万円、3人世帯は716万円など)。世帯構成・各種保険料・障害者控除の有無などにより実際の判定は変わります。
シングルマザー世帯(ひとり親+学生の2人世帯)の場合、第一種の目安年収は約777万円以下です。また、算定式でひとり親控除40,000円が引かれるため、同じ年収でも両親世帯より有利な判定になります。実際に自分の世帯が対象になるかは、JASSOの「進学資金シミュレーター」や在学高校の奨学金担当窓口で確認するのが確実です。
第二種の家計基準は第一種より緩く、給与所得世帯で年収約1,250万円以下(4人世帯目安)が対象です(出典:JASSO「進学前(予約採用)の第二種奨学金の家計基準」)。年収200〜300万円台のシングルマザー世帯であれば、家計基準で弾かれることはほぼないと考えられますが、正確な判定は高校・大学の奨学金窓口で確認してください。
3. 成績基準:第一種と第二種でどう違う?
貸与型奨学金には家計基準だけでなく学力(成績)基準もあります。どちらの奨学金を目指すかによって、必要な成績の目安が変わります(出典:JASSO「進学前(予約採用)の第一種奨学金の学力基準」「第二種奨学金の学力基準」)。
第二種の「平均水準以上」とは、在籍する高校での成績が平均より上であることです。第一種の評定平均3.5より緩く、平均程度の成績でも申し込める可能性があります。第一種で3.5に満たない場合でも、収入が一定以下であれば例外措置が適用されるケースがあります。詳細は高校の奨学金担当教員に確認してください。
4. 申込の2ルート:予約採用と在学採用の違い
JASSOの奨学金には、申し込むタイミングによって2つのルートがあります(出典:JASSO「奨学金を希望するみなさんへ(予約採用)」「在学採用」)。
予約採用(高3時に高校を通じて申し込む)
最もポピュラーな方法です。高校3年生の在学中に、高校を通じてJASSOへ申し込みます(出典:JASSO「奨学金を希望するみなさんへ(予約採用)」)。
- 高校3年生の春(4〜5月ごろ)に学校から案内が配布される
- 学校から配布されたIDとパスワードを使い「スカラネット」から入力し、学校経由でJASSOへ提出
- 採用候補者に決定されたら「採用候補者決定通知」が届く
- 進学後、大学に通知書を提出し「進学届」をスカラネットから提出することで正式採用
春募集(4〜7月ごろ)のほか秋募集(10月ごろ)もあります。予約採用を逃した場合や進学後に家計が急変した場合は、大学の奨学金窓口を通じた在学採用も利用できます。
5. 返済額の目安と、困ったときの救済制度
返済額のシミュレーション例
貸与型奨学金は卒業後に返済が始まります。第二種の場合、利子がかかるため借りる前に返済額の目安を把握しておくことが大切です。
第二種奨学金の利率には「利率固定方式」と「利率見直し方式」の2種類があり、申込時にどちらかを選択します。どちらも法定上限は年3.0%です(出典:JASSO「第二種奨学金に係る利率算定方法の選択制の導入について」)。2026年現在、利率固定方式は令和8年度実績で2.722〜2.922%(出典:JASSO「第二種奨学金の利子と利率の算定方法」)、利率見直し方式は1.874〜2.000%程度で推移しており、かつての超低金利の時代とは状況が変わっています。
月5万円を4年間(総額240万円)借りた場合の参考値を示します(出典:JASSO「奨学金貸与・返還シミュレーション」等)。
利率が上昇すると総返済額が30万円以上増えるケースもあります。正確な返済額はJASSOの「奨学金貸与・返還シミュレーション」ツールで確認してください。あなたの世帯の教育費の自己負担額と積立ペースは、無料診断でも確認できます。第一種(無利子・月45,000円・4年間)なら総貸与額216万円を月約12,857円・14年で返済するイメージです(参考値。正確はJASSOシミュレーションで確認)。
返済が困難になった場合の3つの救済制度
卒業後の返済が苦しくなっても、すぐに滞納になるわけではありません。JASSOには以下の救済制度があります(出典:JASSO「月々の返還額を少なくする(減額返還制度)」「奨学金の返還について」)。
① 減額返還制度
月々の返済額を2分の1・3分の1・4分の1・3分の2に減額できる制度です。令和6年4月から対象所得基準が緩和されており、2026年現在の対象要件は以下のとおりです。
- 年間収入400万円以下(年間所得300万円以下)
- 子どもを2人扶養している場合:年間収入500万円以下(年間所得400万円以下)
- 子どもを3人以上扶養している場合:年間収入600万円以下(年間所得500万円以下)
1回の申請で12ヶ月間適用され、最長15年(180ヶ月)まで延長できます。申請はスカラネット・パーソナルまたは郵送で行います。
② 返還期限猶予制度
経済困難・傷病・災害などにより返還が困難な場合、一定期間の返還を猶予できます。猶予中は返済の義務が停止されますが、利子が発生する場合がある点に注意が必要です。
③ 所得連動返還方式(第一種のみ)
第一種奨学金は「所得連動返還方式」を申込時に選択できます。前年所得が少ない年は返還額が少なくなる仕組みです(2010年4月以降の貸与分が対象)。
6. 給付型奨学金・国の教育ローンとの組み合わせ
給付型奨学金と第一種の「併給調整」に注意
修学支援新制度の給付型奨学金(返済不要)と第一種奨学金を同時に受ける場合、第一種の月額が減額される「併給調整」が行われます(出典:JASSO「給付奨学金と併せて利用する第一種奨学金(併給調整)」)。
具体的には、給付奨学金の支援区分に応じて第一種の月額が自動的に調整され、場合によっては0円になるケースもあります。たとえば私立大学・自宅通学で第一種を希望していた場合でも、給付奨学金の支援区分が高い場合(第1〜2区分)は0円に調整されます。
給付型奨学金を受けながら貸与型も必要な場合は、第一種より第二種のほうが併給調整の影響を受けないため、組み合わせの設計に注意が必要です。
国の教育ローン(公庫ローン)との違い
JASSOの貸与型奨学金は「学生本人が借りて返済する」制度です。一方、日本政策金融公庫の国の教育ローン(教育一般貸付)は「保護者が借りて返済する」制度です。返済の主体が異なるため、子どもの将来の返済負担を増やしたくない場合は親側の公庫ローンを先に検討することも一つの選択肢です。
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ママが正しい「知識」と「情報」を持つFPに相談【ベビープラネット】まとめ:JASSOの貸与型奨学金を活用する前に確認すること
JASSO貸与型奨学金は、第一種(無利子・成績基準が厳しめ)と第二種(有利子・成績基準は緩め)の2種類です。シングルマザー世帯はひとり親控除(40,000円)が適用されるため、家計基準の判定では有利になります。申込は高3時の予約採用(スカラネット経由)が基本で、入学後の在学採用も可能です。
返済が苦しくなった場合は減額返還制度(年収400〜600万円以下が対象)や返還期限猶予制度を活用できます。ただし借りすぎると子どもの卒業後の生活を圧迫するため、必要最小限の額にとどめ、JASSOのシミュレーションツールで返済額を事前に確認することをお勧めします。
給付型奨学金の詳細は関連記事『給付型奨学金まとめ』、国の教育ローンは関連記事『国の教育ローン完全ガイド』、大学費用の積み立て方は関連記事『大学費用の月々積み立て方』もあわせてご覧ください。
家計全体で教育費・老後資金がどう変化するか、数字で把握したい方はぜひ以下の無料診断をご利用ください。
出典
- JASSO
- 独立行政法人日本学生支援機構法
運営者
FP相談1,200人以上の経験とWeb事業7年、自身の離婚・資産形成経験をもとに「ママ、大丈夫」を開発。年収200〜300万円のシングルマザーが、専門家に頼らず家計の未来を把握できるサービスを目指しています。
