シングルマザーの死亡保険 必要保障額の計算方法【2026年版】万一の時に子どもを守る最低ラインとは
📋 この記事でわかること
- シングルマザーが亡くなった場合に子どもが受け取れる遺族年金の金額
- 必要保障額を3ステップで計算する方法と子どもの年齢別の目安額
- 定期保険・収入保障保険・終身保険の違いと保険料を抑えるコツ
はじめに:「自分に何かあったとき、子どもは大丈夫だろうか」
一人で子どもを育てるシングルマザーにとって、「もし自分が死んでしまったら」という不安は、頭の片隅に常にあるものです。公的な遺族年金はありますが、それだけで子どもの生活と教育費を賄えるかどうか、計算したことがある方は少ないはずです。
この記事では、実際の数字をもとに必要な死亡保障額を計算する手順を解説します。「保険に入るべきか迷っている」「今の保障額が適切かわからない」という方は、計算してみることで必要な保障の輪郭がはっきりします。
シングルマザーが死亡保険(死亡保障)を持つ意義
二親家庭と異なり、シングルマザーが亡くなった場合、残された子どもを経済的に支える大人がいません。実家の親が引き取ってくれるとしても、教育費や生活費を工面する必要があります。
公的な遺族年金(後述)はありますが、対象期間は子どもが18歳になるまでです。大学進学を考えると、4年分の学費と生活費は遺族年金の対象外になります。また、住居費・習い事・突発的な医療費など、実際の生活コストを遺族年金だけでカバーしきれないケースも少なくありません。
死亡保険はこの「公的保障では足りない部分」を補うためのものです。加入しているかどうか、また保障額が子どもの状況に合っているかどうかを一度確認しておくことが大切です。
国の遺族年金:子どもが受け取れる金額
シングルマザーが亡くなった場合、残された子どもは「遺族基礎年金」を受け取れます(子どもが18歳になった年度の3月末まで)。加えて、母親が会社員として厚生年金に加入していた場合は「遺族厚生年金」も受け取れます。
遺族基礎年金(2026年度の金額)
日本年金機構の令和8年度版によると、2026年度の遺族基礎年金の金額は以下のとおりです。
※ 基本額847,300円+子の加算(第1・2子 各243,800円、第3子以降 各81,300円)で計算。出典:日本年金機構「遺族年金ガイド 令和8年度版」
遺族基礎年金は子どもが18歳になった年度の3月末に終了します。大学進学後(18〜22歳)の4年間は支給されないため、この期間の学費・生活費はすべて遺されたお金または保険で賄う必要があります。
遺族厚生年金(会社員の場合)
母親が会社員として厚生年金に加入していた場合、子どもは遺族基礎年金に加えて遺族厚生年金を受け取れます。金額は加入期間・報酬額によって異なるため、詳細は年金事務所または「ねんきんネット」で確認してください。フリーランス・個人事業主・専業主婦の場合は遺族基礎年金のみです。
必要保障額を3ステップで計算する
以下の計算式で「自分が亡くなった場合に何円必要か」を概算できます。
📐 必要保障額の計算式
必要保障額 = 子どもの生活費合計 + 教育費合計
ー 遺族年金の受取合計 ー 現在の貯蓄
ステップ1:子どもの生活費合計を計算する
子どもが18歳で独立するまでの生活費を計算します。シングルマザーが亡くなった後も子どもを育てるために必要な費用(食費・衣類・習い事・医療費・住居費の一部など)の目安は、子ども1人あたり月5〜8万円程度です。
計算例:子ども8歳の場合、独立まで10年間
月6万円 × 12か月 × 10年 = 720万円
ステップ2:教育費の合計を計算する
文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」をもとにした教育費の目安は以下のとおりです。
出典:文部科学省「令和5年度 子供の学習費調査」。大学は日本政策金融公庫「令和5年度教育費負担の実態調査」(高校入学〜大学卒業まで942.5万円)を参考に試算。
幼稚園から大学まで全て公立の場合の総教育費は約850万円が目安です。私立高校・私立大学を選ぶ場合は1,200〜1,500万円程度になります。
ステップ3:遺族年金と貯蓄を差し引く
ステップ1・2の合計から、受け取れる遺族年金の総額と現在の貯蓄を引いた額が「必要保障額」です。
計算例:子ども8歳・国民年金のみ加入(フリーランスなど)
- 子どもの生活費(10年間):720万円
- 教育費(小3〜大学・公立):約570万円
- 合計必要額:約1,290万円
- 遺族基礎年金(月90,900円 × 12か月 × 10年):約1,091万円
- 現在の貯蓄:100万円(例)
- 必要保障額 = 1,290万 ー 1,091万 ー 100万 = 約100万円(最低ライン)
この例では保障額は小さく見えますが、大学進学後の4年間(遺族年金が止まった後)は別途250〜450万円が必要です。住居費が高い場合や私立進学の可能性があるなら、500万〜1,500万円程度の保障を検討するのが現実的です。
子どもの年齢別・必要保障額の目安
遺族基礎年金は子どもが18歳になるまで受け取れます。つまり、子どもが小さいほど受給期間が長くなり、保険でカバーすべき「残り」が小さくなります。反対に、子どもの年齢が高いほど遺族年金を受け取れる期間が短く、大学費用も近いため保障が重要になります。
※ 公立進学・子ども1人・現在の貯蓄100万円・生活費月6万円を前提とした目安。子どもの人数・進路・生活費水準・既存貯蓄によって大きく変わります。
これらはあくまで目安です。正確な必要保障額は、収入・貯蓄・子どもの人数・進路・実家の支援有無によって変わります。FP(ファイナンシャルプランナー)への相談で個別に計算するのが最も確実です。今の家計で何歳まで資金が持つかはこちらの無料診断でも確認できます。
保険の種類の違いと、シングルマザーへの向き不向き
死亡保障を持てる保険には主に3種類あります。それぞれの特徴を理解して選ぶことが大切です。
シングルマザーには「定期保険」または「収入保障保険」が基本の選択肢です。保険料が安く、子どもが独立するまでの期間(10〜20年)に特化して保障を持てます。「終身保険で老後の資産形成も」という考え方は、今の家計に余裕がある場合のプラスアルファです。
保険料を抑えながら保障を確保するコツ
① 保険の必要な期間を「子どもの独立まで」に絞る
末子(一番下の子ども)が22歳(大学卒業)になるまでを保障期間として設定することで、余分な保険料を払わずに済みます。定期保険は保険期間を自分で設定できるものが多いため、「子どもが独立するまで」の期間を選びましょう。
② 必要保障額は子どもの成長とともに下がることを意識する
遺族年金の受給期間が残っているほど、保険でカバーすべき額は小さくなります。また、貯蓄が増えれば必要保障額も減ります。「最初から大きな保障に入って、子どもの成長とともに見直す」という方法が、無駄の少ない持ち方です。3〜5年ごとに見直すことを前提にしておくとよいでしょう。
③ 特約を追加しすぎない
がん特約・医療特約・就業不能特約など、追加できる特約は多くありますが、全て付けると月々の保険料が大幅に上がります。死亡保障と医療保障は分けて考え、それぞれ必要最低限のものを選ぶのが合理的です。
④ 複数社を比較してから決める
同じ保障内容でも保険料は会社によって大きく異なります。一社だけ見て決めるのではなく、複数社を並べて比較することで保険料を抑えながら適切な保障を選べます。
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死亡保険の必要保障額を計算する3ステップをおさらいします。
- ステップ1:子どもが独立するまでの生活費(月5〜8万円×年数)を計算する
- ステップ2:教育費の合計を計算する(公立全て約850万円、私立高・私立大なら約1,200〜1,500万円)
- ステップ3:遺族基礎年金の受取総額と現在の貯蓄を差し引いた額が「必要保障額」
シングルマザーには定期保険または収入保障保険が基本です。子どもの年齢・自分の年金の種類・貯蓄額によって必要額は変わるため、計算をもとに複数社を比較して選ぶことが大切です。
保険の保障は「子どもが万一の時に困らない最低ライン」を確保するものです。それが整ったら、保険だけでなく老後・教育費まで含めた家計全体の見通しを立てることで、より安心できる家計が作れます。
保険の種類と選び方の詳細は関連記事『県民共済vs民間保険 月1,000円から備える保障の決め方』もあわせてご覧ください。 万一に備えながら今の家計が長く続くかを確認したい方はこちらの無料診断もご活用ください。
(出典:日本年金機構「遺族年金ガイド 令和8年度版」、文部科学省「令和5年度 子供の学習費調査」、日本政策金融公庫「令和5年度教育費負担の実態調査」、公益財団法人生命保険文化センター「必要保障額の算出方法」)
運営者
FP相談1,200人以上の経験とWeb事業7年、自身の離婚・資産形成経験をもとに「ママ、大丈夫」を開発。年収200〜300万円のシングルマザーが、専門家に頼らず家計の未来を把握できるサービスを目指しています。

