ひとり親控除・寡婦控除を確定申告で取り戻す方法:シングルマザーの節税完全ガイド
はじめに
「年末調整でひとり親控除を申告し忘れた」「確定申告で取り戻せると聞いたけど、どうすればいいかわからない」——そんな疑問を抱えているシングルマザーの方は多いのではないでしょうか。
ひとり親控除は年収200〜300万円の方でも年間数万円の税金が戻ってくる可能性がある制度です。過去5年分を遡って申告できるため、今まで申告していなかった分をまとめて取り戻せる場合もあります。
この記事では、ひとり親控除と寡婦控除の違い、年末調整・確定申告での具体的な手順、医療費控除やiDeCoとの組み合わせ方まで解説します。
1. ひとり親控除と寡婦控除の違い・どちらを使う?
「ひとり親控除」と「寡婦控除」は似た制度ですが、適用条件と控除額が異なります。2020年の税制改正でひとり親控除が新設され、それ以前の寡婦控除・特別寡婦控除が再編されました。
ひとり親控除とは
2020年から適用されている制度です。婚姻状況(未婚・離婚・死別)を問わず、以下の条件をすべて満たす場合に適用されます。
- 現在婚姻関係にない(事実婚を含まない)
- 生計を一にする子ども(総所得金額等が48万円以下)がいる
- 合計所得金額が500万円以下
- 住民票に「未届の夫(妻)」の記載がない
控除額は35万円です。
寡婦控除とは
ひとり親控除の適用を受けない「ひとり親」に適用される控除です。離婚・死別後、扶養親族(子ども以外でもOK)がいる場合などが対象で、控除額は27万円です。
💡 ポイント
シングルマザーで子どもがいて、合計所得が500万円以下(給与収入換算で約670万円以下)であれば、ほとんどの場合「ひとり親控除」が適用されます。まずひとり親控除の条件を確認し、該当しない場合に寡婦控除を検討しましょう。
住民税での効果も大きい
ひとり親控除は所得税だけでなく住民税にも影響します。住民税でのひとり親控除額は30万円で、住民税率10%のため年間約3万円の減税になります。
📊 節税効果の目安
年収250万円の方がひとり親控除を適用すると、所得税+住民税の合計で年間5〜6万円程度の減税効果が期待できます。3年分まとめて申告すれば15〜18万円の還付になる可能性も。
2. 年末調整での申告方法
会社員・パート勤務の方は、毎年秋に会社から渡される年末調整の書類でひとり親控除を申告できます。
記載する書類:「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」
毎年10〜11月ごろに会社から配布されます。以下の手順で記入します。
- 書類上部の氏名・住所・マイナンバーを記入
- 「C 障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生」の欄を探す
- 「ひとり親」のチェックボックスに☑を入れる
- 子どもが16歳以上の場合は「D 扶養親族」欄に氏名・生年月日・マイナンバーを記入
- 16歳未満の子どもは「住民税に関する事項(16歳未満の扶養親族)」欄に記入
⚠️ 注意
子どもがアルバイトをしている場合、年間給与収入が103万円を超えると扶養控除が適用できなくなります。ひとり親控除の所得要件(子どもの所得48万円以下=給与収入103万円以下)も確認してください。
年末調整でひとり親控除を申告し忘れた場合でも、翌年3月15日までの確定申告、または過去5年以内の「更正の請求」で取り戻せます。
3. 申告漏れを確定申告で取り戻す手順
「ひとり親控除を何年も申告していなかった」という方は、「更正の請求」で過去5年分の税金を取り戻せる可能性があります。ひとり親控除制度は2020年分から適用のため、2020年分が最も古い対象年になります。
更正の請求の手順
- 対象年分の源泉徴収票を準備:勤務先から再発行してもらう
- 国税庁の確定申告書等作成コーナーにアクセス:対象年を選択し「更正の請求書」を作成
- ひとり親控除を正しく入力:「寡婦(寡夫)控除・ひとり親控除」の欄に記入
- 添付書類を準備:子どもの戸籍謄本(または住民票)・マイナンバー確認書類など
- 税務署に提出:e-Tax・郵送・窓口持参のいずれかで提出
- 還付を受け取る:審査後(通常1〜2ヶ月)、指定口座に振り込まれる
✅ 結論
年収250万円のシングルマザーがひとり親控除を3年分まとめて申告した場合、15〜18万円程度の還付を受けられる可能性があります。申告漏れがあった方はぜひ確認してみてください。
4. シングルマザーが使えるその他の控除
ひとり親控除と組み合わせることで、さらに税負担を減らせます。
医療費控除との組み合わせ
子どもが小さいうちは医療費がかさみがちです。シングルマザーの場合、自分と子ども分の医療費を合算できるため、10万円の壁を超えやすくなります。
所得が200万円未満(給与収入換算で約310万円未満)の方は、医療費控除の足切り額が「所得の5%」に下がります。例えば所得150万円の方なら、医療費が7.5万円を超えれば控除対象です。
iDeCoは節税と老後準備が同時にできる
iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金は全額所得控除になります。月2万円を掛けた場合、年24万円が所得控除となり、所得税率10%の方なら年間約2.4万円の所得税が減少します(住民税もさらに約2.4万円減少)。老後資金の積立と節税を同時にできる制度で、月5,000円から始められます。
5. e-Taxを使った確定申告のやり方
確定申告はe-Taxを使うとスマホやパソコンから自宅で完結します。還付も早く(通常2〜3週間以内)、マイナポータルと連携すれば源泉徴収票や医療費データが自動入力されます。
準備するもの
- マイナンバーカード(またはID・パスワード方式の利用者識別番号)
- 源泉徴収票
- 医療費の領収書・明細書(医療費控除を申告する場合)
- 生命保険料控除証明書
- 還付金の振込先口座番号
申告手順
- 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセス
- マイナンバーカードでログインし「給与所得がある方の申告」を選択
- 源泉徴収票の内容を入力(マイナポータル連携で自動入力も可能)
- 「所得控除の入力」でひとり親控除を選択・入力
- 医療費控除・生命保険料控除など他の控除も入力
- 還付金の振込口座を入力して送信
まとめ:節税で押さえるべき5つのポイント
- ひとり親控除(35万円)を最優先で申告:子どもがいて所得500万円以下のシングルマザーはほぼ全員対象。年末調整か確定申告で
- 申告漏れは過去5年分遡れる:更正の請求でまとめて取り戻せる
- 医療費控除は子ども分と合算できる:所得が低いほど足切り額も低くなり控除を受けやすい。領収書は日頃からまとめておく
- iDeCoで老後資金積立と節税を同時に:掛金が全額所得控除。月5,000円から始められる
- e-Taxなら自宅で完結・還付も早い:マイナンバーカードとマイナポータルの設定をしておくと入力も楽に
運営者
FP相談1,200人以上の経験とWeb事業7年、自身の離婚・資産形成経験をもとに「ママ、大丈夫」を開発。年収200〜300万円のシングルマザーが、専門家に頼らず家計の未来を把握できるサービスを目指しています。

